RME「Fireface UFX」を買ったから使用レビュー

2018/06/19

RME インターフェース 音楽 音楽機材


以前書いた記事で、

音楽機材:RMEのFireface UFX IIと802の違いを考察してみた 

音楽機材:RMEのFireface UFX+とUFX IIを考察してみる

などがあり、バリバリにRMEの現行オーディオインターフェース(しかもフラッグシップ近辺)を買う感じをプンプンさせていたのですが、


結局旧型のフラッグシップ機である「Fireface UFX(無印)」を買ってしまいましたw。
(ヤフオクで中古が安く出てたんですよ~)




まずは「Fireface UFX」のスペックから

・最大で30入力/30出力、合計60チャンネル
・アナログ12チャンネル、デジタル18チャンネルの計30チャンネルを同時にレコーディングすることも可能
・サンプルレートは44.1/48 kHzでADAT入出力が16/16に、88.2/96 kHzにすると8/8、176.4/192 kHzだと4/4、機材に付属しているアナログAD/DAとAES/EBUは変わらず12/12と2/2
・ADATとMIDI入出力は表裏に1つずつある 当然AES/EBU、SPDIF、Word Clock入出力もある
・USB & FireWireどちらでも接続可
・ダイレクトUSBレコーディング
・前面にディスプレイ画面
・電源スイッチがある


自分なりに詳しく解説しますと、AD部分は12チャンネルありますがマイクプリが付いているのは前面の4つだけです。

ドラム録音等、それ以上に必要な場合は別途用意しなければなりません。


DAは後ろに8チャンネル、前に4チャンネルありますが、後ろの2チャンネルはXLRで残りの6チャンネルはTRS、前の4チャンネルは2チャンネルで1つのTRS端子になっているのでほぼヘッドフォン用チャンネルが2つある感じです。

なのですが二股に分かれるYケーブルがあれば普通のDAとして、モノラルの4チャンネルになります。

ただ二つに分かれるYケーブルは何故かあまり市販で売っていません。
なので自分好みのYケーブルが欲しい場合は自分で作る必要があります。
ケーブルや端子などがある程度良い部品で作られたYケーブルはサウンドハウスなどで見つけられなかったので、自分は自作しました。
ハンダごてなどを使ったりするので少々手間はかかりますが、好きな音質のケーブルを使ったりできて満足しています。
そのことについては次回書きます。


サンプルレートを上げて録音すると使えるADATの使える数が減りますが自分としてはADATを使っていないのであまり意味はありません。

MIDIポートは前と後ろにINOUTが1セットずつあるので、MIDI機器を二つ使っている方はいちいち抜き差しせず挿しっぱで作業できて便利でしょう。
自分の場合はエレドラのみにしか使ってませんのでほぼ挿しっぱです。


RMEのホームページなどを見ていますとUFXシリーズ(UFX+とかUFXⅡとか)はやたらダイレクトUSBレコーディング(録音時、パソコンとUSB両方に録音して不慮の事故を防ぐシステム)を魅力の一つとして推していますが、はっきり言ってライブ録音している業者かプロのレコーディングスタジオ以外使わないと思います。

自分は全く使っていませんし、使い方も分かりませんw。
(調べれば分かるでしょうけど)
そんな程度のものです。


前面に入力出力音量が見れるディスプレイが付いていますが、DAWを使う場合は「TotalMix FX」で音量を確認しますのでこれも特に必要性は感じませんw。

ただ音が出ないなどのトラブルが起きた時に、音がちゃんと入力されているか、出力されているのかを素早く見る時はこのディスプレイで確認するのが便利です。
あって良かったと思うのはその時くらいですかね。


あと前面スイッチで電源のオンオフができます。
実はこれが「Fireface UFX」で一番ありがたい機能かもしれません。

以前使っていたオーディオインターフェースはどれも電源スイッチがないタイプだったで、電源を切るときにはいちいちコンセントを抜く必要がありました。

コンセントは少々硬いのでこれは非常に面倒なところでしたが、それが解消されたので電源を消すのが非常に楽になりました。
これは本当にありがたい機能ですw。
↑のは「Fireface UFX」の新型機です。

気になる音質は? 使い勝手は?

それでは音質など実際の使い勝手についてのレビューです。

ADの音質

ADに関しては現在外部のADAES/EBUで接続して使っているのでこちらのアナログADはあまり使っていなく、詳しい音質は分かりませんw。
良い意味ではクリアな音質、悪い意味では無機質すぎるという世間の評判そのものといった感じでしょうか。

ですがDAが以前使っていた(今も併用してるけど)「RME Multiface AE」(新品14万円クラス)より良いのでそのランクのより良いのは確かでしょう。


DAの音質

音の方向としては「Multiface AE」と同じです。
それもぱっと聴きではまったく分からないくらい同じです。

ですがよくよく聴けば「Fireface UFX」の方が音が若干綺麗です。
それ位なので、値段ほどの違いはないと言えるのかもしれません。

とはいってもオーディオの世界では僅かな違いが大きな違いとなる世界ですので、これで間違ってないとは思います。
1トラック1トラックが僅かな音の差でも、いろいろなトラックを重ねていけば大きな差になりますしね。

と、今書いたのはDAから出した音をミキサーでまとめてから、外部AD経由のDAWで録音し、それからミックスダウンしたものを聞いた場合の話ですが、同じ曲をDAからミキサーに入れる前、トラックをDAWに並べた状態でMultiface AE」「Fireface UFX」のヘッドフォン端子から聴いた音質は大きく違います。
(つまりDAWで曲を聴いた場合という事ですね)

これはFireface UFXの方が断然良いです。
そう考えるとFireface UFXDAはかなり良いのかもしれません。


DDの音質

DD、デジタルな接続についてですがこれもけっこうFireface UFXは良い気がします。

以前のMultiface AEでもそこに付いているアナログADは使わないで外部のADを接続していたのですが、そっちのときよりも若干音が綺麗になり深みが出た気がします。

「デジタルな接続なのに音が変わるのはおかしい」と考えがちですが、デジタルとデジタルを結ぶ部品もまたピンからキリまであるでしょうから違いが出るのも分からないではありません。
(内部クロックの関係もあるでしょうし)



TotalMix FXについて


これは全てを使いこなしているわけではありませんが、Multiface AEでは使えなかったエフェクトが使えるので面白いです。

3BandのEQローカットオートレベル機能コンプレッサーエキスパンダーリバーブなんかも各チャンネルに設定できます。

中でもMS変換できたりするのは面白い機能だなと思いました。
(自分はプラグインでMSの音量を調節してるので使ったことありませんがw)


これらのエフェクトは入力している音にかけてそれを聞くのは勿論ですが、これらのエフェクトをかけた音を録音することもできるので、アウトボードのコンプなどを持ってない場合やたまには違う感じのコンプをかけたい時などには、このエフェクトでかけ録りしてみるのも面白いかもしれません。

リバーブをかけたり外したりするのがクリック一つなので、例えば自分で弾き語り放送する時など、歌っているときにはかけて喋っているときには外すというのが楽にできます。

Multiface AEではエフェクトが使えませんでしたのでこれはすごく便利です。


難点は他の方のレビューにもあるように、どのチャンネルがどのチャンネルに繋がっているかがわかりにくい点ですね。

とはいってもこれは慣れればどうにかなりますので、理解しようとする気持ちを持って長時間向き合えば理解することはできます。
根気を持って接すれば、けして無理なシステムではありません。

ただ気力は多分に必要ですがねw。



現行機のUCX、802、UFX+やUFXIIとの違いは何が考えられる?


「Multiface AE」は今の機器で言えば「Fireface UCXクラス」なので、そこから考えますと今のUCX802UFX+UFXIIもそこまで音質的方向性には大差がないと思われます。
(新品のお値段は10万近く変わりますがw)

きっとUFX+UFXIIの方がUCX802よりも若干音が綺麗な位でしょう。
(何度も言いますがオーディオの世界では若干の違いが大きな違いになっていくので大事なところではあります)


ですが個人的にはyoutubeで音を聴いた限り、802にはあまり良い印象を受けませんでした。

何とも比較せずに聞いてみると一見すごく良く聞こえるのですが、過去機である「Fireface UFX」「Symphony I/O」を使ったとされる動画の音を聴いてみると明らかな差を感じましたので自分としては購入の候補から外しました。

といっても自分はFireface UFXのADDAではなく外部のADDAを使っているので、802でも良かったかなと今では思ってますがw。
音質ではなく機能的にはUFXIIと同じような感じだし。


ちなみに動画を見ていて思ったのですが、「Fireface UFX」「Symphony I/O」では音質の方向性に大きな違いがあります。

「Fireface UFX」はフラットな音と言われればそうなのですが、悪く言えば深みのない硬い音という感じです。

対する「Symphony I/O」は現代アメリカンポップなギラギラした感じの音です。
今作られてる洋楽って感じの音質です。

自分的には「Symphony I/O」の方が面白そうだったのでこっちの中古を考えていたのですが、こちらはマックでしか動かないらしくそれで断念しました。
(自分はWin機ですので)

新型の「Symphony I/O Mk II」ならWin機でも動くみたいですが、新品で買う気にはなれなかったのでやめました。
(2in6outで30万はきびしー!)

RMEの方向性はMultiface AEで分かったので「Symphony I/O」にしたかったけどなあ。
あ、でも「Pro Tools」でしか動かないらしいのでその点でも駄目か。
(自分はCubase使いですのでね)

トータルの感想


「Fireface UFX」RMEの先代フラッグシップ機ということで物は悪くありません。

故障していないものがオクなどで出ていれば買いでしょう。


とはいえ過度な期待はしていけません。
世の中にはもっと上のオーディオインターフェースは存在するわけです。

先ほど書いた「Symphony I/O」だったり「LYNX STUDIO」「PRISM SOUND」のもの、スタジオ定番の「Pro Tools HDX」外部ADで言えば「LAVRY AD122-96 MX」など「Fireface UFX」よりも高価で上質クラスの機材はあります。


上を見たらきりがありませんが、「Fireface UFX」高級オーディオインターフェースの入門機と考えればかなり使いやすく、いろんな機能もあり、中古なら頑張ればまだ個人でも手に入れられる価格なので良い買い物だと思います。

ただデジタル製品なので「一生モノ」というわけにはいきませんし、これ1台だけで市販レベルのクオリティが誰にでも簡単に出るというものではないです。

買った後もいろいろ試行錯誤する必要はあると思います。
(例えばマイクプリやケーブルや電源を変えたりとか、クロックを入れてみたりとか、スタジオにあるようなどでかいコンソールを導入するとかw)

まあ、「Fireface UFX」は宅録であるなら最高峰レベルだと思いますので、Win機使いの宅録家の方には強くおすすめできる機材ですね。

ドライバがしっかりしてますので、パソコンさえおかしくなければ使ってる途中で何もしてないのに接続が切れたなんてトラブルはほとんどないです。
(昔パソコンが壊れかけの頃に、接続したらパソコンがフリーズした例はありますw)

その点も強くおすすめできるポイントです。


というわけで皆さんも「Fireface UFX」を使ってみてはどうでしょうか?
今ならオークションサイトなどで安くなっていますよ。
(とはいえ一番のおすすめはUFX+UFXIIではありますけどねw


「Fireface UFX+」「Fireface UFX II」の違いを考察した記事です。
良かったら読んでみてください。
 音楽機材:「Fireface UFX+」と「UFX II」の性能などを考察してみる

ローランドの「Rubixシリーズ」について調べてのスペックや性能を比べてみた記事です。
 音楽機材:RolandのRubixシリーズというオーディオインターフェースを考察してみたよ





画像はRMEのホームページからのもので法律上の引用を用いて掲載しています。

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